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まさかずのマサカずっと、ほな、サイババ!!って言わないよね今年の目標・・・やりたいことをやる!!
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JASRACエッセイコンテストに応募してたけど落選した。
オチが思いつかなかった。
外国人2人の名前、全く必要ないのに入れた。
無理矢理、話を終わらせた。
1200字以内という制限でちょうど1200字(題名入れて)。
「MY LIFE MY SONG 〜私の大切なあの歌、あの曲〜」
という応募に沿ってないエッセイ。
気が向いたら、読んでくださいまし。
六甲おろしは甲子園のうねり
大リーグ中継をたまに見る。日本のプロ野球より球が速かったり、特大のホームランがあったりで、凄いなあと思う。でも、何かもの足りない。それは何だろう、と考えていたら音楽だっていうことに気付いた。大リーグにも音楽はある。エレクトーンで合間にリズムを入れたりもする。でも、日本みたいに観客全員で攻撃の時に歌うということはない。そして、点数が入るたびに歌うという習慣もない。拍手をしたり、ハイタッチをするぐらいである。個人で喜ぶ、もしくはその周りの数人で喜ぶという程度で、球場全体がうねるような雰囲気を私は大リーグ中継で見たことがない。
初めて、甲子園へプロ野球を観に行ったのは、中学1年の時の阪神対横浜大洋のナイターだった。高校野球は小学校の時にも観に行ったことがあったので、甲子園の雰囲気はよく知っているつもりだった。私は関西在住にしては珍しく、横浜ファンだったため、3塁側の数百人しかいない横浜の応援席のかたすみに着いた。夕方の淡い光の中、選手たちは試合が始まる前の練習をしていた。私はお目当てのポンセとパチョレックを発見し、夢中で写真をとった。そのうちに、カクテル光線が緑の芝生と黒い土を美しく照らす時間となり、観客も増えてきた。もちろん大多数は阪神ファン。横浜ファンと阪神ファンの境目はすぐそこ。そして、ふと視線を上にあげると、レフトスタンドからバックスクリーンを越えてライトスタンド、一塁側の内野スタンドまで阪神ファンでいっぱいになっていた。
試合が始まると、阪神の攻撃の時は想像以上の大音量が甲子園を包みこんだ。数万人の人が一斉に声をあげると、こうなるのか、と私はただひたすらに驚いた。音に速さがあるということも実感として初めて知った。ライトスタンドでメガホンをたたく音は、私の見えているライトスタンドの画像から少し遅れて鼓膜を揺さぶった。阪神のチャンスになるとそのボリュームはさらに大きくなり、盛り上がりが目に見えるような感じが、または何か別の生き物の鼓動であるかのような感じがした。選手一人一人のヒッティングマーチに乗って、大人たちが大声で歌い、選手を鼓舞する。その一体感がとても不思議だった。合唱コンクールの練習をしていないのに全部揃っている。いや、もっと泥臭い組体操に近い感じがした。
試合は阪神が勝った。球場におなじみの六甲おろしが響き渡る。ビールを飲んだくれていたオヤジも応援のしすぎですでに声を枯らしているアンちゃんもその横に座っている彼女も六甲おろしを歌う。ただ、阪神が勝った。うれしい。その思いで歌う。メガホンでリズムをとり、肩を揺らし、浜風に吹かれながら、六甲おろしはそれぞれの思いをのせて阪神ファンを1つにする。
私は横浜ファン。だが、この勝利チームのうねりを伴った歌が嫌いではない。なぜなら、横浜スタジアムに行けば、私だってその中に溶け込めるだろうから。